2006年07月21日

いつか冷たい雨が

いつものように深夜の帰宅。
マンションのエントランスへ入ると饐えた匂いがする。

何の匂いだろう・・・

思いながら、集合郵便受箱から郵便を取り出し、オートロックの開錠・・・
と、その時。

真横に人がいる!!!
うゎ!ビックリした!!

思わず声を上げる。

外からは見えない宅配BOXの1畳ほどのスペースに、ダンボールをひいて男が座っていた。痩せこけて日焼けをした男。捨て犬のような目で僕を見上げている。

ここで何してるの!?
「いや、今日雨が振るって知らなかったんで…一晩ここで過ごさせてもらおうと思ったんですけど、ダメですか」
雨なんかここ数日降り続いているよ。

だめだ。だめ!思わず口をついて出る。

「はぁ、みんなにお願いしてたんですけど」と中を指差す。
みんなに言ったってダメなんだよ。敷地の外へ出なさい!
「敷地の…そうですか。そうします。すぐ出ます…」

そう言ってダンボールとボロボロのスポーツバッグを持って、退散する男。

男を見送って部屋へ入る。



何とも釈然としない。



一晩、あそこへ泊めてあげればよかったのか。

僕が追い出さなくても、誰かが追い出していたのではないか。
女性が帰ってきたら、恐がるのではないか。その人がお巡りさんを呼べば、彼は捕まる。

でも、僕より先に入った数人は、彼を認めてあげていたようだ。

俺は悪魔か?この深夜の雨の中へ追い出すなんて。でもまぁ死にはしないだろう。
じゃあ、傘でもあげればよかったのか。メシの施しでもすればよかったか。

ものすごく正論を振りかざすならば、ここで一晩明かす事、何かを施すことは、彼にとって何の為にもならない。

葛藤に苛まれる。

そして、なんであんな言い方をしてしまったのかと反省が募る。そう、言い方だって。。。


---------------


社会に出てもイジメは無くならないよ。
少なくとも彼は社会のイジメられっ子だ。

そんな彼に、僕は強者の理論を振りかざした。

僕は、好きな仕事をして、決して多いとはいえないけれど毎月サラリーを貰って、不自由ない住まいがあり、メシも好きなものを食える。

我ながらずいぶん偉くなったもんだと呆れる。

格差社会を容認する政府。
僕だって、いつ社会的弱者になるかわからないのだ。

雨の中を彷徨う、彼の後姿がチラついて今夜は寝付けそうにない。


神様
ごめんなさい

傲慢な僕はどうしたらいいですか

posted by PIYO at 01:14| 静岡 ☁| Comment(6) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おじぞうさんだったら笠を貸し、カメさんだったらいじめから助けてあげられたのに… なまじ人間の格好をしていたばかりに…

ほんと、こんな社会じゃ 先が不安で どーしーよーもないですよ
Posted by どりる at 2006年07月21日 02:35
カメを助けようとしたら
噛み付き亀だったりしてね!
そんな亀を助けて竜宮城に連れてかれて、帰る時になったら すっげぇ額を請求されちゃって借金背負いそうだよね
Posted by どりる at 2006年07月21日 02:41
関係ないことばかり書いてごめん。
もし邪魔だったら削除しといて
Posted by どりる at 2006年07月21日 02:43
どりるさん
なんか元気出ました。ありがとう。
結局ぐっすり寝ました。なんだかなぁ。
Posted by piyo at 2006年07月21日 10:58
なんとも言えない出来事でしたね。。。。

何が正しくて、何がいけない事なのか。難しい。

でももし自分が家に帰ってきて玄関前にそんな人がいたらって考えると、警察に電話していたかもしれないし、きっと「ダメですよ」って言ってしまったと思います。。。


その人のためにも早く梅雨があけるといいな。
そんなことしか言えない自分。
Posted by ゆうちん at 2006年07月23日 17:07
 はじめまして。たまたま、本当にたまたま通りすがった者です。ですがちょっと泣いてしまいました。あなたの気持ちが痛いほどわかるりますし、また追い出された人の寂しさも痛いし辛いです。
 もし可能だったら、次に同じような状況に遭遇した時には違った行動をしていただけたらいいなと思いコメントさせていただきました。
 施しは別に傲慢なことではありませんよ。家に入れるなんてことは無理ですけど、余裕があるならせめて何か暖かいものとかあげても気持ちは伝わりますし、それがその人のためにならないなんてことはありません。それで甘えられて、居座られるような時は警察に通報することになってもしかたないと思いますが、別に雨宿りだったわけですし、追い出すってのは残念です。
 いつか冷たい雨が、を知っているあなたなら、わかってもらえると思って書きました。あなたと出会うすべての人に優しさをあたえて下さい。袖触れ合うも多少の縁は、多少ではなくすごく縁のある人なのです。

 乱筆乱文で失礼いたしました。
Posted by kk at 2006年10月21日 15:57
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